ポイントカードの一本化に問題は無いのか [ニュース]
総務省がポイントカードを一本化することを検討しているようです。
カードを発行している企業および団体を結ぶシステムを立ち上げ、各種ポイントカードや銀行、図書館、商店街などのカードをマイナンバーカードに一本化しようとするもので、来年春以降の実現を目指しているようです。
「磁気カードからICチップ入りカードに移すための莫大(ばくだい)な投資を行わずに済む」と企業側にもメリットがあることを強調していますが、いくつか予想される問題があります。
マイナンバーカード紛失時の被害が大きくなり過ぎないか?
そもそもマイナンバー制度はおそらくアメリカの『社会保障番号』と呼ばれるものを参考にしているものだと思われます。
この社会保障番号とは、人の一生分の銀行記録や納税、年金、借金、自己破産といった記録が全て紐付いているもので、当然ながらこの番号を他人に知られる事は非常に高いリスクを伴います。
上記の説明だけでも如何に重要な情報なのかが分かると思いますが、アメリカではこの社会保障番号が書かれたカードは絶対に携帯しないのが常識であるようです。
では、それほど厳重に取り扱うべき社会保障番号を参考にしたマイナンバーは、どのように扱うべきなのでしょうか?
決まっていますよね。当然マイナンバーも同様に厳重に取り扱うべきです。
そう考えれば、いくら利便性が高いとはいえマイナンバーカードを持ち歩くなど愚の骨頂だと言えるのではないでしょうか。
また、マイナンバー自体の重要性を一度棚に上げるとしても、このカードには全てのカードの機能を併せ持つカードとなります。おそらくは機能が集約されたこのカードを1枚持っていれば、それだけで全ての用事が済むのでしょう。
しかし、多様な機能を1枚に集めたという事は無くした時のリスクが非常に大きい事の裏返しです。もし他にカードを持ち歩いていなかったとしたら、それだけで何も出来なくなってしまうのですから。
更にもう一つ、無くしただけならば行動が出来なくなるだけで済みますが、このカードの機能を使われてしまった時のダメージはもはや論ずるまでもありません。
個人情報が収集されてしまう
先ほど、社会保障番号には様々な情報が紐付けされていると書きました。つまり、それらの情報は全て政府の手元に集まるという事です。が、ポイントカード一本化が実現すると更に個人情報が収集されてしまう事になります。
元々ポイントカードというものは、「性別が○で△歳の□□さんが~日に××を買った」といったように、マーケティングの参考にする情報を集めるためのものです(だからこそ見返りとしてポイントが付与される訳ですね)。
これを一元化したら、購入履歴が記録される、つまり趣味嗜好が全て筒抜けになってしまうことになってしまいます。
これだけでも十分『管理社会』としての危険性がありますが、では、もしこれらの情報が流出してしまったら?
趣味嗜好が色濃く反映されるであろう購入履歴が、詐欺師や悪徳業者といった(幼稚な表現ではありますが)悪い人の手に収まってしまったら?
その被害を考えると、とてもではありませんが正気の沙汰とは思えません。
一本化によって利権になってしまうのではないか?
中学生が学ぶ内容の常識ではありますが、企業は独占を法律で禁止されている、言い換えれば企業同士で競い合っているためにサービスの向上や、公平な価格での提供が行われています。
それはポイントカードの世界でも同じであり、だからこそそれぞれサービスが異なり、提携店も異なっているわけです。
では、それを一本化したら? 自浄のシステムがあるなら別ですが、そうでないのなら腐敗してしまうのは想像に難くないですよね。
ポイントにも課税や、ETCカードのように利用料がかかる可能性もありますよね。なにせ競争相手がいないのでやり放題になるのですから。
最後に
財務省はメリットばかり挙げていましたが、これらの問題はどのようにクリアするつもりなのでしょうか?
(もちろんこの記事がかなり恣意的に悪い書き方をしているというのもありますが)
あるいはマイナンバー制度の導入を正当化すること自体が目的であるという可能性も否めませんが……。
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